19 June 2004

あと10年経ったら



古い短編を再編集している。今ふうにかっこよく言えばデジタル・リマスタリング!普通に言えばやり直し!一から全部一人でやってみようと思って。
数年前に一度編集してほぼ完成させた時は、パソコンじゃないけどノンリニア編集機で、エディター石原にオペレーターを頼んでやった。機種名は失念(※)。HDから何から一体型の編集専用機で、DVなのになぜかアナログ接続だった。だから取り込んだ時点で画質が気持ち劣化してたということを、ほぼ完成と元素材とを見比べることで知った。
最近、劣化っていうと「データを圧縮したゆえの劣化」だと思うけど、自分が親しみのあるのはアナログな劣化。シャープネスが甘くなったり色が変わってたりという。


改めて撮影テープから立ち上げ直したんだけど、DVは恐いと思った。なんというか、昨日撮ったみたいななまなましさ。数年前のことだというに。
自分らの世代にとって、「古い映像」っていったらすなわち「劣化してる映像」のことで、くすんだ16mmの画だったりどどめ色に変色したビデオの画だったりする。被写体の服装やメイクで時代は読めるけど、もし「劣化してない映像」で古い服装だったりしたらちょっと脳が混乱する。歴史と映像技術の進化を同じ軸で認知しているようだ。
DVの劣化しない映像は歴史を混乱させる。って大げさだけれど。
まあつまり、写ってる役者やら見切れてるスタッフが若くて可笑しかった、という話。昨日撮ったみたいな映像なのに皆若くてお肌もつるつるなので衝撃。静止画に切り出してスタッフに送ろう。スパムとして捨てないように。
初めて触ったビデオがDVという若人たちは、歴史を画質以外のどこで認知するのか気になる。自分らにとってちょうどいい「美化」に転ずる画像の劣化がなく細部まで克明に描写するDV。10年後に感じるはずのノスタルジーを今思ってみる。

※追記 タレコミにより「DVなのになぜかアナログ接続」の機種判明。こちら

Comments

No comments yet

Add Comment

このアイテムは閲覧専用です。コメントの投稿、投票はできません。