02 November 2004

写真の雑誌


Tokyo graffiti #2
もともと他人の撮った写真が好きで、しかも適当に撮られたものほど好き。ハプニング的にシャッターが切られたものとか、撮った本人もよく憶えてないようなものとか。風景の写真とかも悪くないけど、やっぱり人物の写真。ヒトは面白い。どんな表情をしているのか穴のあくほど見つめて、カメラマンと被写体の関係を無理矢理読み解いたり。
人物写真を撮る能力のほとんどは、被写体との関係づくりに依存するのではないかと思う。仲良しでも威圧でもエロでもとにかく関係性は写りこむ。自分もいい人物写真が撮りたいと思うのだけどなかなかうまくいかない。ムービーカメラを構えてよーいスタート、っていうのにも少なからず関係性は写るものだと思うが、どちらかというとカメラマン対被写体という関係ではなく、被写体同士の関係を撮るものだと思う。カメラマンが透明人間になるほど良い。面白いのだけど、写真とは違う。
「アウフォト」という雑誌がすごく好きだったのは「関係」が露呈しているような写真ばかりを巧みな編集によって見せていたからで、廃刊になってホント残念なのだけど、よく考えるとずっと続けられるような安定したコンテンツではなかったように思える。毎月オモシロ写真が一定量送られてくるはずがなく、波があったはず。
「Tokyo graffiti」はとにかく人物写真だらけ、ということでポートレイト好きな自分はそれだけで手に取ることができるのだけど、「2004年の家族写真」と題された企画以外の大半はいわゆる街角スナップをカテゴライズによって編集されているもので、えーと、なんというか楽しさに欠ける。確かに安定感のある内容だとは思うけど、自分の大好きな「関係性」が希薄であり、ただの写真付きアンケート雑誌になってしまうのはあまりにもったいないと思う。写真家の名前を出してもっと濃ゆいカラーが出てくれば毎号楽しみにして買いに行っちゃうと思うのだけど。

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