09 October 2004

アジサイは青かった

試写で塚本晋也監督『ヴィタール』観た!以前監督にインタビューした時にちょっと聞いてた「解剖学の映画」。
塚本晋也 COLLECTOR'S BOX
塚本晋也 田口トモロヲ 沢田研二 竹中直人
ハピネット・ピクチャーズ 2003-05-22


by G-Tools

便乗宣伝してみる。これの特典ディスク「塚本図鑑」に自分がやったインタビュー入ってますから。「肉体というテーマのゆくえ」としてこの新作があることが語られてます。当時はまだ撮影前だしタイトルも決まってなかったなあ。「ヴィタール」ってよく病院モノのドラマで言われる「バイタルは安定してます!」というvitalだろうか。


なんか高レゾだと思ったら35mm撮影。なんかセリフがしっくり画に乗ってるなあと思ったら同時録音。そしてなんか誰かまだ出てないような…て思ったら、塚本さん出演してない!編集もノンリニアを導入したとのことだし、いろいろ初めてなことが(出演してないのは『双生児』もだけど)試されていた。
人体を解剖するという描写が、「解剖実習」の光景とともにすごい丹念で、ちょっとこういう映画は観たことない。内臓にこびりつく脂肪を削り取ったり神経らしきものをこうバリっと云々する所は妙に高揚する。
個人的には雨が印象的だった。『六月の蛇』ではモノクロームだったけど今回はちゃんと紫陽花がそのものの色で見える。雨も南国の青空も同様に色を持っていて、乾いた死体の色とは対照的だ。あんな雨を自分も降らせたいと思った。
いわゆる塚本映画のイメージ「グワーと来てドガーとなってガガガガガガってなってシーンとする」というまったく個人的オノマトペ印象論は『ヴィタール』には通用しない。「シーンとしていてずっとゴゴゴゴゴってしていてシーンと終わる」という感じか。でも「ゴゴゴゴゴ」の中には確かに心臓の鼓動が聞こえる。

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