善意のコンボ
『ファイナルファンタジーVII』というRPGに、「マテリアシステム」という画期的な仕組みが導入されていたのを思い出しました。
普通のRPGでは、キャラクターの持って生まれた資質(戦士とか魔法使いとか)に基づき、戦闘を重ねるなどして得た「経験」によって特殊な戦闘技能を習得していく仕組みになっています。つまり体育会系の人はどうがんばっても文系にはなれず逆もまた然り。後に「転職」という概念が導入され、「努力すれば何にでもなれる」ということになりましたが、結局年は取る(レベルが必要)ということになるのです。
この『VII』においては異質なのは、「マテリア」と呼ばれる色とりどりの不思議な石を武器や防具に装着することによっていきなり特殊技能が得られる、ということでした。ある程度の資質は必要なものの、それは体力が少ないとか知能が低いとか(失礼な話だ)、まあ仕方ないこととしての資質であり、こと魔法使用やら魔物召喚などの「努力してもどうにもならないもの」は不思議な物質に任せてしまおう、ということでした。
自分はこれにしっくりきて、当時の時代性を反映した「自分探し」という暗いテーマであったにも関わらず『VII』にはまりました。マテリアの組み合わせによっては「魔法を使ったのに使う前よりMPが増える」とか、「1回攻撃を受けたら8倍にしてやりかえす」とかいう、あこぎとも言える技能が使えるので、自分は必死に色とりどりのマテリアを探しこれを完遂、最終的には1ターンでラスボスを瀕死にするほど強くなったのです。もうマテリアジャンキーです。マテリアなければ怖くて剣を振れない。
ものすごい長い枕でしたがリストバンドの話。
初めは白だけかと思っていたバンドですが、白の大流行に後押しされたのか最近では様々な色のバンドがあるようです。やっぱり全て「購入金はチャリティに」というお題目のもので、ここではその真偽は問いませんけれど、ちょっと困ったなあどうも、と思いました。自分がマテリアを集めたようにこのバンドをコンプリートする人が現れるのではないかと。
白と黒と赤の組み合わせで「アフリカ難民に支援し、ブッシュの再選に反対し、子どもに煙草を吸わせない者である」という属性に。
紫と緑とピンクで「動物愛護者で、エコロジストで、エイズ撲滅に賛同する者」。
青と青と青で「カトリーナ被害といじめ撲滅と川崎市サッカー協会に援助する者である」。
一個だと効き目は弱いですが、複数つけるととても強硬な意思を持った人に見えます。反面、配色に気を配ったりしてファッションの観点から選ぶと、矛盾したオピニオンを表明してしまったりすることになりかねません。
組み合わせが大切です。「1回募金したら8回募金してしまった」とか、「300円で買ったのに3000円で売れた」とかいう特殊技能は行使しなくてもいいのです。ここは現実世界なのですから。その剣の一振りは、本当に真摯なものなのでしょうか。
Posted 11/26/05 | Filed under: 徒然
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